2019年10月25日金曜日

クリップスタジオペイントでアニメを作ろう・動画をアニメの背景にする

●写真動画からアニメの背景を作る


 アニメを作ろうとしたときに、背景で困ったことはありませんか?
 私は絵が下手なので、とても困っています。
 クリップスタジオペイント(CLIP STUDIO PAINT、クリスタ)には、写真をイラスト風にする機能があるので、それで写真を一枚の背景にすることもできます。
 さらに、クリップスタジオペイントでは、写真動画をアニメの背景にすることもできます。

■準備


 アニメーションの動画を用意します。
 それとともに、アニメーションの背景にしたい動画を用意します。保存形式は、mp4にしておくとスムーズです。

■動画を読み込む


 アニメの動画を用意した状態にします。

 上部のメニューから、[ファイル]-[読み込み]-[ムービー]を選択します。

 背景にしたい動画を選択し、[開く]で開いて、読み込みます。


 クリップスタジオペイントから注意のウインドウが開いても気にせず[OK]で先に進みます。






 アニメの背景にしたい写真動画が読み込まれました。
 同時に、ツールが、[操作]-[オブジェクト]になります。






 読み込まれた動画には、[拡大・縮小・回転]のできる青い枠とハンドルがついていますので、目的のアニメに合わせた大きさに調整します。

◎縦横の比率をそのままにしたい時は、[Shift]を押しながら拡大・縮小します。



■確認


 再生してみます。

 動画がアニメの背景になっているのが確認できました。

 音は消えてしまいます。




●写真の動画をイラスト調の動画にしてアニメの背景にする


 動画をアニメの背景にすることができました。
 次は、 クリップスタジオペイント(CLIP STUDIO PAINT、クリスタ)の機能を使って、動画をイラスト調に変えて、アニメの背景にしてみます。

■ 連番画像を書き出す


 アニメの入っているアニメーションフォルダーを非表示にします。
 読み込んだ写真動画だけになります。



 上部メニューから、[ファイル]-[アニメーション書き出し]-[連番画像]で、パソコンの中の適当な場所に、連番画像を書き出します。







◎今回は、1秒を24フレームにして、3フレームで1枚、1秒間で8枚の絵を表示させる設定ですので、一番下の「フレームレート」が8になっています。






 たくさんのjpg画像になって保存されます。

 ■連番画像を読み込む


   新規アニメーションフォルダーを作成します。


 上部メニューから、[ファイル]-[読み込み]-[画像]で、さきほど保存されたすべての画像を一括選択して読み込みます。










 新しく作ったアニメーションフォルダー「フォルダー1」の中に、たくさんの画像が読み込まれました。



◎画像の番号が小さい数字から順番になっているかを確認し、順番がおかしかったらレイヤーを動かして正しい順番になるように並び替えて直しておきます。
(大きい数字から小さい数字への順番でもOK)




 ■連番画像をセルに指定する


[タイムライン]パレットで、一番最初のフレームに移動します。

 フォルダー1に、読み込んだ連番画像をセルとして順番に指定します。一括指定が便利です。

 上部メニューから[アニメーション]-[トラック編集]-[セルを一括指定]を選択します。







  出てきたウインドウから、「既存のアニメーション名から指定」を選択し、番号の小さいものを開始セルに、番号が最大のものを終了セルに指定します。

◎今回は、1秒を24フレームにして、3フレームずつ、1秒間で8枚の絵を動かす設定にしていますので、フレーム数は「3」です。






[OK]で読み込みます。

→タイムラインに画像がセルとして読み込まれました。



 もとの噴水の動画を非表示にします。

 再生してみると、もとの動画よりもややガタガタした動きになっています。

■連番画像をイラスト風にする


 フォルダー1に入っている画像をひとつ選択します。

 右クリックで出てくるウインドウから「ラスタライズ」を選択します。






 画像がラスタライズされました。




 上部メニューから[フィルター]-[効果]-[イラスト調]を選択します。






 出てきた[イラスト調]ウインドウで適当な数値にし、[OK]で確定します。

◎今回は、初期数値から、ぼかし範囲85 色の階調数30 に変更しました。





 同じように、すべての画像をラスタライズし、イラスト調にします。

◎数が多いので、オートアクションを作って使っても便利かもしれません。
・オートアクションの例

 すべての画像がイラスト調になりました。






 再び、最初に用意したアニメーションの動画の入っているアニメーションフォルダを表示します。

■確認


 イラスト調の動画を背景にしたアニメーションができあがりました。









2019年10月11日金曜日

クリップスタジオペイントでアニメを作ろう・カメラワーク3 背景を切り替える

 クリップスタジオペイントの2Dカメラを使えば、不透明度を変化させることもできます。
 今回は、2Dカメラを使って、背景を切り替えてみます。

・準備


 ファイルを新規作成し、アニメーションフォルダにキャラクターの動画、他に2枚の背景画を用意します。


■2Dカメラフォルダーを2つ作成する

上部メニューの[アニメーション]-[アニメーション用新規レイヤー]-[2Dカメラフォルダー]を選択すると、カメラフォルダー(カメラ1)が作成されます。



 今回は、2枚の背景それぞれにカメラワークをつけるので、カメラフォルダーをもうひとつ作成します。

 上部メニューの[アニメーション]-[アニメーション用新規レイヤー]-[2Dカメラフォルダー]を選択し、カメラフォルダー(カメラ2)を作成します。




■背景にカメラワークがつけられるようにする


 2Dカメラフォルダー(カメラ1)の中に、背景を描いたレイヤー(背景1)を入れます。
 もうひとつの2Dカメラフォルダー(カメラ2)の中に、もう一枚の背景を描いたレイヤー(背景2)を入れます。

 背景ですので、位置は、アニメーションフォルダーよりも下にしておきます。


1枚目の背景の不透明度の変更

■2Dカメラを使って1枚目の背景の不透明度を変更する

[タイムライン]パレットの最初のフレームに移動します。
 カメラ1の左側の[+]ボタンをクリックすると、下に折りたたまれていた「不透明度」と「トラックラベル」という要素が出てきます。

 今回は、「不透明度」を変えますので、「不透明度」のところをクリックして選択します。

■ファンクションカーブ変更モードにする

[タイムライン]パレットの左上にある[ファンクションカーブ変更モード]ボタンをクリックします。



 ファンクションカーブ変更モードになります。



・表示をもとにもどしたいときは、もう一度、[ファンクションカーブ変更モード]ボタンをクリックします。

■始点のキーフレームを追加する

[タイムライン]パレットのカメラワークをつけはじめたい位置(今回は最初のフレーム)で、不透明度を選択した上で、[タイムライン]パレットの上部ボタンで[キーフレームを追加]します。


 始点のキーフレームが追加されました。
 オレンジの◆がキーフレームが設定された位置になります。左右に小さなオレンジのものがついています。



◇キーフレームの補間方法には、いくつか種類がありますが、今回は「滑らか」にしておきます。


■終点のキーフレームを追加する


[タイムライン]パレットのカメラワークをつけ終わりたい位置で、不透明度を選択した上で、[タイムライン]パレットの上部ボタンで[キーフレームを追加]します。

→終点のキーフレームが追加されました。


■キーフレームを移動する


 わかりやすいように、カメラ2は非表示にしておきます。

 今回は不透明度の変更ですから、だいたい100(完全に不透明)から0(透明)の間で動かすことにします。

 キーフレームの印であるオレンジの◆をクリックして選択します。

→オレンジの◆が、青の◆になります。


 青の◆をドラッグして上下に動かします。
 左についている目盛りの 0(ゼロ)のところまで動かしてみましょう。


 始点と終点のキーフレームを結んでいたオレンジの細い線も、キーフレームに従って移動します。「滑らか」な曲線になっています。

 キャンバスのほうは、何も変化がないように思えます。

■確認する


 アニメーションを再生してみます。

 背景が滑らかに消えていくのが確認できます。

 GIFで書き出してみると、こうなります。

 

◎再生せずに確認したい場合は、[ツールプロパティ]パネルの[表示方法]で、「範囲内の画像を表示」にすれば、現在画像にしたときに表示される状態が、キャンバスに反映されます。



2枚目の背景の不透明度の変更

■2Dカメラを使って2枚目の背景の不透明度を変更する


 次は、2枚目の背景の不透明度を、2Dカメラを使って変更します。

 わかりやすいように、カメラ1は非表示にしておきます。

①[レイヤー]パレットで[カメラ2]のフォルダーをクリックして選択します。

②[タイムライン]パレットで、カメラ2の左側の[+]ボタンをクリックすると、下に折りたたまれていた「不透明度」と「トラックラベル」という要素が出てきます。

 「不透明度」を変えますので、「不透明度」のところをクリックして選択します。


■ファンクションカーブ変更モードにする


[タイムライン]パレットの左上にある[ファンクションカーブ変更モード]ボタンをクリックします。

 ファンクションカーブ変更モードになります。


 ■始点と終点のキーフレームを追加する


 カメラ2についでも、キーフレームを追加して、不透明度を変えていきます。

◇キーフレームの補間方法には、いくつか種類がありますので、今度は「等速」にしてみます。


[タイムライン]パレットのカメラワークをつけはじめたい位置で、不透明度を選択した上で、[タイムライン]パレットの上部ボタンで[キーフレームを追加]します。

①始点のキーフレームが追加されました。
 オレンジの◆がキーフレームが設定された位置になります。今度は「等速」のため、左右の小さなオレンジはありません。

[タイムライン]パレットのカメラワークをつけ終わりたい位置で、不透明度を選択した上で、[タイムライン]パレットの上部ボタンで[キーフレームを追加]します。

②終点のキーフレームが追加されました。


■キーフレームを移動する


 キーフレームの印であるオレンジの◆をクリックして選択します。

→オレンジの◆が、青の◆になります。

 青の◆をドラッグして上下に動かします。
 今回は、始点のキーフレームを、左についている目盛りの 0(ゼロ)のところまで動かします。



 始点と終点のキーフレームを結んでいたオレンジの細い線も、キーフレームに従って移動します。
 カメラ1のときは、「滑らか」だったので、曲線でしたが、カメラ2は「等速」ですので、直線になります。

 キャンバスのほうは、何も変化がないように思えます。

■確認する


 アニメーションを再生してみます。

 背景が現れてくるのが確認できます。

 GIFで書き出してみると、こうなります。



■2つのカメラとも表示して確認する


 非表示にしておいたカメラ1も表示します。

 アニメーションを再生してみます。

 1枚目の背景が滑らかに消えていき、2枚目の背景が等速で現れてくるのが確認できます。

 GIFで書き出してみると、こうなります。



◎表示している時間を重ね合わせるなどすれば、複数の背景をなめらかに切り替えることもできます。







2019年10月10日木曜日

クリップスタジオペイントでアニメを作ろう・カメラワーク2 2Dカメラを連続して動かす

 クリップスタジオペイントの2Dカメラは、キーフレームを追加していくことで、複雑な動きで動かすことができます。
 今回は、 2Dカメラを連続して動かしてみます。

  • 準備


■新規アニメーションファイルを作成する


 今回は、作画サイズを上下倍にし、フレームレート24 再生時間120 フレーム数1始まり 5秒間のアニメを作るように設定して、新規ファイルを作成します。


■動かす絵を描く



 今回は、3フレームに1枚、8枚で1秒になるように絵を描くことにします。

 まず、フレーム1の1枚目のセルに、最初の絵を描きます。


 次に、フレーム4に移動し、新規アニメーションセルを追加して、二枚目の絵を描きます。


 オニオンスキン有効化しておくと前後のセルの絵を薄く表示できるので描きやすくなります


■セルの一括指定

今回は、4枚の絵の繰り返しで、1枚の絵を3フレーム使い、最後まで繰り返すことにします。

 繰り返しで、歩くように見える絵を描いたら、
[アニメーション]-[トラック編集]-[セルを一括指定]します。


 最後まで繰り返す設定にすれば、最後まで同じ動きが繰り返されます。


→タイムラインに、繰り返す絵が、一気に指定できます。

 再生して、動いているか確かめておきます。


 問題なく動くようなら、色もつけておきます。

■背景を描く


 別に、新規ラスターレイヤーを作成し、背景を描きます。レイヤー名は、「背景」としておくとわかりやすいです。
 背景は、アニメーションフォルダーよりも下の方の位置にしておきます。




(今回は、カメラワーク機能の説明のため、まわりをとりまくように配置してあります)

 準備はここまでです。
 次は、準備した絵に、カメラワークをつけていきます。

  • 2Dカメラで連続したカメラワークをつける


■カメラフォルダーを作成する


[アニメーション]-[アニメ-ション用新規レイヤー]-[2Dカメラフォルダー]で、2Dカメラフォルダー(カメラ1)を作成します。

 2Dカメラフォルダーは、アニメーションフォルダーやセルの画像を変形せずに、アニメーションにカメラワークをつけるためのものです。


■背景にカメラワークがつけられるようにする


 2Dカメラフォルダー(カメラ1)の中に、背景を描いたレイヤーを入れます。
 背景ですので、位置は、アニメーションフォルダーよりも下にしておきます。


■カメラワークをつける


◎移動開始のキーフレームを設定する


 [タイムライン]パレットで、最初のフレームに移動します。
[ツール]から、[操作]を選ぶと、キャンバスに、拡大・縮小・回転ができるハンドルのついた青い枠が現れます。


 ハンドルを使って、カメラを動かしはじめたい位置に、青い枠を移動させます。

 移動させると、しぜんにキーフレームが追加されています。キーフレームが設定されている位置は、タイムラインに、紫の四角がつきます。


・キーフレームは、移動をはじめたい位置や移動を終了させたい位置を指定するものです。
・キーフレームは、自分で位置を決めて追加したり削除することができます。

◇キーフレームの補間方法には、いくつか種類がありますが、今回は「滑らか」にしておきます。



◎移動終了のキーフレームを設定する


 [タイムライン]パレットでカメラの動きを止めたい位置のフレームに移動します。
 キャンバスで、カメラを止めたいところまで、青い枠を移動させます。

 移動させると、しぜんにキーフレームが追加されます。
 さらに、カメラがどこからどこまで移動したかを示す、細い線が、2つの青い枠の間に引かれます。



◎さらにキーフレームを追加する


 タイムラインで適当なフレームまで移動してから、カメラをさらに移動させ、キーフレームを追加していきます。
 カメラは回転することもできます。




 カメラの使い方次第で、かなり複雑な動きもつけることができます。


■完成、書き出し


 直したいところがあれば直し、できあがったら、書き出します。
 今回は、アニメーションGIFにしてみます。



 このようなアニメができあがりました。



・背景の絵が描いてない部分までカメラに入っていると、その部分は白くなってしまうこともわかります。
 最初に、どのぐらいの範囲までカメラに入るかをしっかり考えて、作画サイズを決める必要がありますね。